(3)心情的・倫理的な課題を抱える商品
仮に正規品だとしても、「本当に売っていいものなのか」と疑問を持たれる商品もある。今年1月には、昨年死去したミュージシャン・チバユウスケさんの「献花の会」で配布されたメモリアルフォトがメルカリなどに出品され、なかには数万円単位で高額落札されるものもみられた。
同じく昨年死去したロックバンド「BUCK-TICK」櫻井敦司さんの「偲ぶ会」では、献花付きの入場券(1500円)が1万円台で売りに出された。この際にもメモリアルフォトは転売されていて、ファンを中心に批判が出ていた。
メルカリの利用ガイドの禁止行為リストを読んでみると、少なくともパターン2については、「虚偽の設定、または誤った情報を記載すること」が当てはまりそうだ。
「倫理的視点で認められないと弊社が判断する行為」あたりは、解釈によってパターン3にも適用できそうだが、どこで線引きするかの判断は難しいだろう。
希少性は付加価値になる。とくに突然の訃報で、感情が揺さぶられている時には、より物欲を刺激されるのだろう。
しかしながら、購入したことによって、さらに悲しい思いをしてしまう危険性もある。冷静になって「本当に故人のためになることは」と、思いをはせてみる。購入を検討するのは、それからでも遅くない。