井戸先生:もえさん、その通りです。20代でまずやるべきは、キャリアの土台となる基礎能力を身につけること。前に踏み出す主体性や、物事を解決する力、コミュニケーション力など、職種や環境にかかわらず社会人として必要な基礎能力を高めておきましょう。

みさき:やる気が出てきました! 私も今の職場で基礎能力を身につけるよう頑張ります。もえみたいに、もっと専門性を高める資格にもチャレンジしてみようかな。

井戸先生:進むべき方向が見えたら資格取得するのもいいですね。みさきさんの場合は、まずは今の仕事に役立つスキルや知識を身につけることに集中してはどうかしら。プロジェクトに関連するセミナーを受講したり、インターネットや本で情報収集したり、短期の目標をこなす力を身につけるといいですよ。

みさき:はい!まず目の前の課題に取り組んでみます。

井戸先生:20代のうちはいろいろ体験してみて、迷うこともいいと思いますが、30代前半までには目指すゴールを明確にしておきましょう。30代はゴールに向けて専門性を磨き、資格やスキルを足してキャリアを強固にする段階です。

もえ:女性におすすめの資格は何がありますか?

井戸先生:看護師、介護福祉士、税理士などの専門職は年齢や環境の変化にかかわらず働けるので有利ですが、国家資格なので難易度は高め。専門職に目標を定めたら、早めにチャレンジするといいですね。私は20代で社会保険労務士の資格を取得し、30代で仕事の幅を広げるため、FP などさまざまな資格を取得しました。

みさき:私にはハードルが高そう…。

井戸先生:みさきさんのように会社員としてキャリアアップを目指す場合は、日商簿記検定やTOEIC、MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)、キャリアコンサルタントなど、ビジネスに役立つ資格やスキルがおすすめ。転職のときも強みとしてアピールできます。

<この項目のまとめ>
✓20代のうちに稼ぐ力の源泉になる自己投資をする
✓失敗を恐れずワンランク上の仕事にも挑戦
✓20代のうちに社会人としての基礎能力を高める
✓資格やスキルでライフステージの変化に備える