フランスのジャック・シラク元大統領はパリ市長時代の1990年、下水で汚れたセーヌ川を自分が泳げるくらいきれいにすると宣言した。「大体きれいだ」。最近のある日、ホテルのマネジャーとして働くシルバン・ラフレさんは服を脱ぎ、セーヌ川に合流するルルク運河に入りながらそう話した。「でも口は絶対に開けない」4年前に死去したシラク氏は、きれいなセーヌ川で泳ぐことはできなかった。セーヌ川は見るぶんには、世界で最もロマンチックな川の一つだが、泳ぐのは危険だ。専門家によると、下痢や尿路感染症などになる可能性がある。パリはシラク氏の宣言以降、成し遂げられなかったセーヌ川の浄化を、2024年夏季オリンピックの開会式前に完了しなければならない。7日26日には、ボートに乗った選手たちが、川沿いの数十万人の観客の前を通ってセーヌ川を下る。その後、少なくとも計画では、長距離水泳競技のオープンウオータースイミングとトライアスロンの水泳がセーヌ川で行われる。
パリ五輪の難題、「泳げるセーヌ川」になるか
長距離水泳のコースの水域に下水が入らないよう当局は対策を急いでいる
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