おすすめポイント
オリンピックに数々の選手を送り出した名門、それがスタンフォード大学である。本書は、そんなスタンフォード大学でアスレチックトレーナーを務める著者が、科学的な知識を用い、なおかつ専門的な知識がなくてもわかるようにかみ砕いて、疲労やモチベーションなどを説明した一冊である。
意欲、疲労、調子、ストレス、睡眠。こうした要素は生きていく上で誰でも関心があるはずだ。しかし、それが一体何なのか、詳細に説明できる人は少ないのではないだろうか。こうした「大切だけれども、なんとなく理解しているもの」を説明してくれるのが、科学だ。なぜ、科学的なアプローチが必要なのか。それは、科学的な知識をもつことで、より適切な対処をとることができるからである。
人はメンタルの不調や身体的な疲労に陥ったとき、なすすべなく心を摩耗してしまいがちだ。しかし、脳や体のどういった部分で何が起きればストレスを感じるのか、ということを知っていれば具体的な対処の方法が見えてくる。科学的な手法で蓄積された知識というのは、経験的に対処するよりも間違いが少ない。本書はそうした科学的な知識を踏まえた上で、疲労やストレスへの対処法について具体的かつわかりやすく説明されている。
人は生きていると不調に悩まされるし、新しく成長する必要もある。本書は社会を生き抜く人にとって必携と言えよう。(流 隼人)