週末休んだはずなのに朝からだるい、やらなければいけないことが山積みなのに集中できない…もしかしたらそれは、身体ではなく脳が疲れているせいかもしれません。精神科医で禅僧の川野泰周氏はこうした脳の疲れをとるのに効果的なのが「歩くこと」だと言います。そこで今回は川野氏の著書『歩けば、調う』(青春出版社刊)から禅の教えと最新脳科学から生まれた「マインドフル・ウォーキング」について抜粋して紹介します。
身体よりも脳が疲れている現代人
現代社会では、身体よりも脳のほうが疲れてしまってる人が増えています。
原因は、いくつかありますが、一般的には「情報過多」が挙げられます。
インターネットの登場以前に比べて、脳が処理しなければならない情報量は圧倒的なほどに増えました。特に最近では、四六時中スマホを手にして、ニュース速報をチェックしたり、ゲームをしたりと、脳が一息つくヒマもないほどです。
「マルチタスク化」も進んでいます。
会社では生産性のアップを求められ、1人ひとりの仕事量が多くなる一方です。単純に1つのタスク(仕事)が大きいこともありますが、複数のタスクを抱え、それを同時に処理しなければならないという「マルチタスク」も当たり前になっています。
それだけではありません。仕事から離れたところでも、マルチタスク化が進んでいます。