脳の疲れがスッキリ!1日5分、無料でできる「優雅な習慣」とは?現代人は「心ここにあらず」が常態化している。これこそが脳を疲れさせている直接の原因だ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

週末休んだはずなのに朝からだるい、やらなければいけないことが山積みなのに集中できない…もしかしたらそれは、身体ではなく脳が疲れているせいかもしれません。精神科医で禅僧の川野泰周氏はこうした脳の疲れをとるのに効果的なのが「歩くこと」だと言います。そこで今回は川野氏の著書『歩けば、調う』(青春出版社刊)から禅の教えと最新脳科学から生まれた「マインドフル・ウォーキング」について抜粋して紹介します。

身体よりも脳が疲れている現代人

 現代社会では、身体よりも脳のほうが疲れてしまってる人が増えています。

 原因は、いくつかありますが、一般的には「情報過多」が挙げられます。

 インターネットの登場以前に比べて、脳が処理しなければならない情報量は圧倒的なほどに増えました。特に最近では、四六時中スマホを手にして、ニュース速報をチェックしたり、ゲームをしたりと、脳が一息つくヒマもないほどです。

「マルチタスク化」も進んでいます。

 会社では生産性のアップを求められ、1人ひとりの仕事量が多くなる一方です。単純に1つのタスク(仕事)が大きいこともありますが、複数のタスクを抱え、それを同時に処理しなければならないという「マルチタスク」も当たり前になっています。

 それだけではありません。仕事から離れたところでも、マルチタスク化が進んでいます。

 例えば、通勤中の勉強や、音楽を聴きながらの読書。スマホを見ながらの食事。駅のホームからの転落や交通事故を起こす原因として警告されるようになった「歩きスマホ」などもその典型です。

 さらに近年では若い世代の人たちを中心に、「タイパ」(タイムパフォーマンス)という言葉が当たり前のように使われるようになりました。こうした言葉が生み出されること自体、効率重視の価値観が急速に広まっているのを垣間見ることができるでしょう。

 言い換えれば、私たちはもはや「ただ、休む」ということすらできなくなっているのではないでしょうか。「せっかく家族水入らずで旅行に出かけているのに、仕事のことが頭から離れない、心から楽しめない」、そんな声もいたるところから聞かれています。

 ひと言でいえば、現代人は「心ここにあらず」が常態化しているのです。これこそが脳を疲れさせている直接の原因です。

 脳科学(神経科学)的には「心ここにあらずの状態」を「マインドワンダリング」と表現します。心(マインド)がさまよっている(ワンダリング)というわけです。

精神科医の禅僧が「歩く」ことをすすめる理由

 では、どうしたらマインドワンダリングから抜け出せるのでしょう?

 その解決策の1つが、瞑想であり、マインドフルネスです。

 マインドワンダリングが「心ここにあらず」だとするなら、瞑想やマインドフルネスの真髄は「今この瞬間に意識を向ける」ことにあります。マインドワンダリングを止め、脳の疲れを回復させる効果が期待できます。

 マインドフルネスは、米国シリコンバレー発の流行となり、いまやウォール・ストリートでも大ブームとなっています。

 ウォール・ストリートは、情報過多の最前線。そこには「心ここにあらず」になりがちな環境にいながら、人一倍集中もしなければいけない人たちが集まっています。だからこそ、マインドフルネスが求められたのです。