この小さな島からわずか5キロメートル離れた場所に位置する中国本土は、雄のニワトリが対岸の雌に向かって鳴くほど距離が近い。住民はそんな冗談を言っている。金門群島は何十年もの間、中台摩擦の最前線となってきた。その緊張が最近、再び高まっている。 2月、台湾の沿岸警備当局に追跡された中国の漁船が転覆し、漁師2人が死亡したことに中国は猛反発を示した。台湾の国防部長(国防相)は先月、台湾軍の訓練のために米軍部隊が金門島に派遣されたことを認めた。台湾軍は8日、金門群島の二つの島の近くを飛行していた中国のドローン(無人機)2機を追い払ったと明らかにした。しかし、金門の住民の多くは心配していない。中国には、本土との結びつきが最も強い台湾の領土に対して武力を行使する動機がほとんどないからだという。そのような攻撃は、台湾の他の地域の決意をさらに固め、米国に台湾防衛へのコミットメントの強化を促すだけだろう。