現代人は「慢性的で容赦ないストレス」に押しつぶされ、頭も肉体も、そしてメンタルも疲れ切っている。私たち人間が本来持つ「エネルギー」を取り戻すには、どうすればよいのだろうか? 本連載では、スタンフォード大学で人気講義を担当し、億万長者の投資家、シリコンバレーの起業家、アカデミー賞俳優のコンシェルジュドクターでもあるモリー・マルーフの著書『脳と身体を最適化せよ!──「明晰な頭脳」「疲れない肉体」「不老長寿」を実現する科学的健康法』から人生最高の時期を引き延ばし、生活の質を最大限に高め、幸福度を増し、慢性疾患の発症リスクを下げる「最新の健康法」を紹介する。

【医者が教える】メンタルが回復する1日10分のシンプルな習慣Photo: Adobe Stock

瞑想は究極のメンタル回復ツール

 ストレスからうまく回復できるようになりたいと本気で望むなら、瞑想法を身につけて毎日実践しよう。

 瞑想は、注意や知覚、感情を制御するために心を鍛え、心拍数・呼吸数・血圧など基本的な身体機能を整えることによって身体をホメオスタシス(恒常性)の状態に戻すのを助ける手法だ。

 瞑想は心の平穏やバランス、明晰さ、さらには回復に大きな役割を果たす知覚認識を取り戻すのに役立つ。

 瞑想の目標は、「良い」「悪い」の判断をせず、ただ、いまこの瞬間に心を置いて何にも反応しない平静な状態になることだ。

 瞑想から得られる効果は人それぞれだが、私は定期的な瞑想の実践によって、注意力が高まり、仕事に集中しやすくなった。私にとって瞑想はストレスから身を守る最大の武器だ。

 瞑想にはさまざまな種類がある。

 私は個人的に、自分や他者への思いやりを育むことを重視する「慈悲の瞑想」が気に入っている。これは私が最初からずっと続けてきた瞑想法のひとつだ。シンプルなので初心者に適している。慈悲の瞑想のやり方の解説付き動画は、瞑想アプリですぐに探せるはずだ。

 興味のある瞑想法があれば何でも試してみよう。

 ただ座っているだけでも、いまここに意識を向けるだけでもいい。

 外へ出て、できれば裸足で地に足を付け、日の出や日の入りとつながるのもお勧めだ。朝か夜に10~15分間瞑想してもいいし、ヨガのポーズや呼吸法をしながらマインドフルでいることもできる。

(本記事は『脳と身体を最適化せよ!──「明晰な頭脳」「疲れない肉体」「不老長寿」を実現する科学的健康法』から一部を抜粋・改変したものです。)