「中古マンションは余計な諸費用がかかる」は本当か

 最後に、中古マンションは余計な諸費用がたくさんかかる……という話をされる方もいます。中古物件の購入の際、多くの場合で仲介手数料が発生する一方で、新築マンションはかからないことが多いためです。その点から中古マンションは不利であるという人もいますが、それも実は誤っています。

 たしかに、仲介手数料は一般的に法定上限として売買価格の3%+6万円に消費税をかけたものが発生します。もちろん決して安いものではありません。一方でそれがかからない新築マンションはお得だと思われがちですが、新築の場合は、建物価格に対して10%の消費税があらかじめ含まれたものが購入金額となっています。そのため新築マンションと中古マンションで費用面での違いは実は大きくないというのが実態です。

 また、中古マンションは選択肢が多く、自分に合った物件を選びやすい点が魅力です。新築マンションは東京都で言えば同時に
60~70のプロジェクトがありますが、中古マンションは販売数で2万戸を超え、選択肢の多さは新築に比べて圧倒的です。選択肢が多い分、探す手間や意思決定のハードルが上がる部分はありますが、そこは、不動産営業やエージェントをうまく活用し、一緒に家探しを進めることがポイントです。

 最後になりますが、これらは、中古マンションだからいい、新築マンションだからダメという話でありません。大事なのはその物件の条件・特徴と皆さんのライフスタイル・条件面がマッチしているかどうかです。新築派・中古派という議論はそもそもおかしく、両方のメリット・特徴を理解しながら、最適な購入を進めていくことが住宅購入の本質です。新築・中古のメリット・デメリットを理解して判断をしていきましょう。