近年、日本には不動産バブルが到来している。加えてマイナス金利の解除も決定し、そろそろ家を買おうと考えていたものの、不安を感じる人も多いのではないだろうか。そんな住宅購入を不安に感じる人の悩みを解決ためにこの春『本当に家を買っても大丈夫か?と思ったら読む 住宅購入の思考法』が発刊された。本記事では発刊を記念して、本文の一部を抜粋、一部再編集してお届けする。
住宅購入は「優良顧客」になった者勝ち
新築物件にも当てはまりますが、特に中古物件を購入する場合に有効な考え方です。(投資用不動産を探す場合にも当てはまります)
そもそも、不動産取引は特殊な消費活動です。(いいことではないですが)未公開の物件情報があったり、同じマンションでもまったく同じ家は世界にそれ1つしかありません。加えて、資金調達が必要だったり、悩んでいる隙にほかの人が契約してしまったりと、一般的な消費とは明らかに性質が違います。
もちろん、不便な取引にならないように、情報のオープン化などをしていこうという風潮は業界内には当然ありますが、一方で売却側が未公開の販売を望むこともあり、現状のルールにおいてはこの特殊さを受け入れたうえで、どうふるまうかを考える必要があります。
この現状のルールを最大限活かすためには、不動産会社にとって「優先度の高い顧客」になることが非常に重要です。「いやいや、それは不動産会社の論理でしょ。客側がどうして気を使わなきゃいけないの?」という声が聞こえてきそうですが、これが真理です。
なぜなら、不動産購入においては、仲介担当者(=不動産営業・エージェント)の力量によっていい購入になるか悪い購入になるかどうかが左右されるからです。そのため、スキルもスタンスも兼ね備えた仲介担当者であっても、顧客である皆さんが「いい顧客」と思われなければ、その優秀な担当者も皆さんへ時間を割ききれずに、話が進まないこともありえます。
ですから、優秀な不動産営業・エージェントをまず見極めたうえで、その担当者に「自分になるべく多くの時間を使ってもらえること」が非常に大事になってきます。「この人は住宅購入を真剣に検討している。条件に合う物件さえあればきっと買ってくれる」と不動産営業やエージェントに思ってもらうことで、時間をかけて、真剣にライフプラン決めてくれたり、最適な物件を探してくれたりと皆さんのためだけに動いてくれます。
どうしても顧客に優先順位をつけないといけない状況はあまりいいこととは言えませんが、ビジネスモデル上仕方がないことでもあります。それであれば、あらためて大事なのは、どうしたら自分がその「優先度の高い顧客になれるか?」を考えたほうがルールを味方につけることができるでしょう。