「バランスの取れた見通し」を持つことがいかに難しいかを知りたければ、綱渡りをしている人に聞いてみるといい。  米連邦準備制度理事会(FRB)はようやく、政策金利が高過ぎるか低過ぎるかのバランスを取る段階に達した。残念ながら、それは不安定なバランスであり、政策金利が適切な水準にあることを示す証拠は極めて乏しい。政策金利は低過ぎる、あるいは高過ぎるかもしれないが、長く均衡を保つのは難しいだろう。  FRBのジェローム・パウエル議長は先週、利上げの可能性は「低い」と発言し、市場の期待に応えてみせた。