GW明け。仕事に行くのが憂うつになっている人も多いのではないだろうか。仕事や人間関係……うまくいかないことばかり、という人にぜひ読んでもらいたいのが、「メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術」(わび著)だ。「しんどいときに読み直している」「確実に効く技術がつまっている」「みんなに読んでほしい」など喜びの声が多数寄せられている本書。今回はわび氏に、憂うつな日々を乗り切るため技術を聞いた。
仕事の話しかしてないと、虚無感でいっぱいになる
これはXで5万いいね!を超えた私のつぶやきです。
仕事中は報告や連絡、会議など、「中身のある話」ばかりになりますよね。
たとえば、「何時にお客さんが来る」とか「今月の成果はどうだった」、「今後の部署の方針はこうしよう」といった内容です。
いわゆる「報連相」は、お互いの仕事の役割や業務内容を知っておけば、相手のことをあまりよく知らなくても、話すことができるし、聞いてもらえます。
会社でたくさん仕事の話をした日に、仕事の達成度に反して、なんとなく「虚無感」を覚える人は実はこれが原因だと思っています。
お互いに仕事のことしか見ておらず、自分という人間をあまり見てもらえている気もしないし、替えがきく存在のような気もする。
仕事ばかりに価値が置かれて、「自分」という存在が置き去りにされると、本当に気持ちがすり減ってくるんです。
「生産性のない話」ができるありがたさ
一方で、親しい友人との話はどうでしょうか。たまに休日のカフェとかに行くと、何時間もおしゃべりしている人たちを見かけます。
その話の内容を聞いてると、結構どうでもいい話ばかりです(失礼)。
でも、そういう人たちにかぎって、本当に楽しそうにしています。
かくいう私も、仕事で疲れたときは、昔からの友人とオンラインでまったりできるゲームをやりながら、何時間も話をすることがあります。
「最近どう」から始まり、「あいつ、会社やめるってよ」「将来は無人島で養蜂しながら暮らしたいな」など、何の生産性もない、いわゆる「中身のない話」をしています。
たまに直接会って話すときもこんな感じです。
ただ、終始どうでもいい話ばかりしていても、別れた後はいつも楽しかったなぁと思えるし、ふんわりとした充実感を覚えます。
「中身のない話」が心地よく感じられる理由
これは持論ですが、たわいもない話をして充実感を感じられるのは、仕事などの中身のある話とは逆で、話自体に価値があるのではなく、「お互いの存在」に価値を置いているからです。
お互いの価値観や考え方、背景を理解しあっていて、この人なら受け入れてくれるという信頼感や安心感があるから、どうでもいいことでも話したくなるし、中身のない話でも心地よく感じるんです。
逆にあまりよく知らない人に、どうでもいい話を長々とされるとどうでしょうか。
みなさんも経験があるかもしれませんが、本当に苦痛ですよね(笑)。
時間が経つのも遅いし、話が終わったあとにどっと疲れてしまいます。
つまり、どうでもいい話は、誰にでもできるものではなく、お互いに良き理解者同士じゃないと成り立たないんです。
社会に出ると、「どうでもいい話ができる人」こそが貴重
中学生や高校生のときは、通学や学校の休み時間、放課後など、中身がなくてもいい時間がたくさんありました。
そのなかで、勉強以外の話をしたり、遊んだり、ときにはケンカもして、お互いの価値感や考え方、背景を自然と理解していって、どうでもいい話ができる人が増えていきます。
しかし、社会に出ると、どうでもいい話ができる人がとても希少になり、中身がなくてもいい時間が本当に少なくなります。
プライベートでも、時間に何かしらの価値を求めるようになり、どうでもいい話ができる関係を一から築き上げるのは難しくなります。
そういうわけで、もし、身近にどうでもいい話ができる人がいるなら、その人を大切にしたほうがいいです。
どうでもいい話ができる人って、実は一番どうでもよくない存在なんですよ。
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