圧倒的に面白い」「共感と刺激の連続」「仕組み化がすごい」と話題の『スタートアップ芸人 ── お笑い芸人からニートになった僕が「仲間力」で年商146億円の会社をつくった話』の著者・森武司氏は、2005年の創業以来、18年連続増収増益を達成し、年商146億円となった。
ここまで会社を成長させてきた秘密は何か? 本書からより深い学びを得ようと、インタビュー企画を実施。
今回インタビューするのは、書籍内で「大阪大学在学中からかばん持ちをしていた」と紹介されていた堀尾亮太氏。堀尾氏は入社1年目にスリランカの国会議事堂でプレゼンを任された経験がある。詳細を詳しく聞いた。

入社1年目がスリランカの国会議事堂でプレゼンした生々しい感想とは?Photo: Adobe Stock

スリランカの国会議事堂でのプレゼンした理由

――堀尾さんはスリランカの国会議事堂でプレゼンを任されたことがあるそうですね。

堀尾亮太(以下、堀尾):はい。スリランカに行ったのは僕が24歳で大学院を出てまだ数か月程度だったころです。入社1年目のときですね。

元々は、橋本さん(現FIDIA役員CRO)の知人でスリランカの首相の元通訳の方から、ビジネスを一緒にしないかという話が森社長のほうにありました。
事業内容としては、海外のエンジニアを日本に連れてくる人材紹介・人材派遣の案件でした。

当時、僕は英語ができることと、学生時代にエンジニアを使った事業を考えていたこともあり、僕に白羽の矢が立ち、抜擢されました。

そのときに「スリランカの国会議事堂でプレゼンする」というところまで話が進み、スリランカに実際に行くことになりました。

――プレゼンを任せてもらった経緯を教えてください。

堀尾:はい。元々国会議事堂でのプレゼンは森社長がする予定でした。
ですから、プレゼン資料も最初は日本語でつくり、僕が英語に翻訳して森社長と内容を詰めていたんです。
ただ、森社長は英語がしゃべれなかった。特に発音が難しかったのです。

社長のプレゼンを僕が通訳することも提案したんですが、社長は「堀尾にプレゼンを任せる」と言ってくださったんです。

当時、僕はまだ入社して数か月しか経っていない超若手でした。
そこを思い切ってプレゼンターとして抜擢する森社長の器の大きさに驚きましたね。

国会議事堂内の反応は?

――プレゼンでの聴衆の反応はいかがでしたか?

堀尾:はい、スリランカの国会議事堂に集まっていたのは、スリランカの全主要大学のマネジャーたちでした。エンジニアが多く在籍する大学のトップたちだったので、「日本での海外エンジニアの人材派遣でどんなことができるか」というテーマでプレゼンしたんです。

プレゼンの際は、僕もものすごく集中していたので、聴衆の反応までは正直わかりませんでした。

でも、終わった後に社長がものすごくほめてくれたんです。

「みんな立ち上がって拍手していたよ。スタンディングオベーションだった。すごくよかったよ」と。

実際はそこまでではなかったとは思いますが(笑)。

多少大げさでも、すごくほめてくれたので、プレッシャーがすごかった分、安心しました。

社長がいつも推薦する1冊の本

――社長は、人を育てるために意図的に大げさにほめていることもあるんでしょうか?

堀尾:それはあるかもしれませんね。森社長にお薦めの本を聞いたことあるんですが、1冊の本しか薦めないんです。それがデール・カーネギーの『人を動かす』です。その中の項目に「ほめること」の重要性が説かれているんですね。

この本をいろいろな社員にすすめながら、森社長自身、無意識の行動レベルにまで落とし込んでいる力をリスペクトしています。
特に森社長はよいと思ったことはとことんやり続けるので。

――プレゼンを任されていかがでしたか?

堀尾:めちゃくちゃ貴重な経験をさせてもらってありがたかったです。

当時のスリランカの大統領にも会わせてもらったのですが、前述のとおり当時の僕は24歳で大学院を出てまだ数か月程度。そんな若手が一国の首長に会う機会なんてまずありえませんし。

残念ながらその後、コロナなどいろいろ不足の事態が生じて、事業自体は白紙になってしまいましたが、本当にいい経験をしたと思っています。

一方、スリランカの国会議事堂でプレゼンをした経験がある若手社員なんて、日本でも僕くらいしかいないんじゃないでしょうか。

『スタートアップ芸人』には、僕以外にも、このような破天荒なエピソードが満載です。