ぼんやりとした都会への憧れから東京に出たけれど、なにひとつ皆と同じようにできず、「どうして私だけこんなにダメなんだろう」と思い悩んでしまう……。しかし、その感情はきっと、あなた1人だけが抱えているものではありません。地元のブラック企業を1年でやめ、マンガ家を目指し上京した自我野氏の4コマエッセイマンガ『崖っぷちの自我』(扶桑社)の一部を抜粋・編集しお送りします。
上京11年のマンガ家が陥る
日常の「消えてしまいたい」瞬間
自我野です!ビッグなマンガ家になる!と言って田舎から上京したものの、生活のためのバイトに明け暮れてたらいつの間にか11年経ってた中年女性です!
そもそも若かりし頃の私が「東京」と「マンガ家」に憧れたからごらんのありさまになっているわけですが、その時の私に今の私が会いに行ったらどう思うのかな~とか。あの時どうすればよかったのかな~とか色々思うところがあるので、上京までの人生を少し振り返ってみようと思います!
私は幼少の頃から「東京に行ったら何かあるに違いない!」と思いながら生きていました。高校の修学旅行で渋谷に行って現実を見たもののなぜか東京に対する好感度は下がらず。地元の電車ですら乗り間違えるような己のヤバさに気付いてもなぜか気持ちは変わらず。高校卒業後、地元の専門学校に進学が決まった時も「将来は絶対に東京に住む!」と思ってました。
その後、ひとまず「社会経験」とやらを積むために地元で就職もしましたが、その職場は絵に書いたようなブラック企業で、結局は1年で退職。
「どうせボロボロになるなら一番好きなものでボロボロになりたい…」。そこで2012年、決意とともにマンガ家を目指して上京。夢を追いながらも、借金350万円の返済に追われる限界生活がスタートしました。
それから早11年が経ちますが、いまだにバイト生活を抜けられず。自意識と日々戦っている毎日です。今回はそんな私の日常のなかでふと芽生える、「消えてしまいたい」と思う瞬間の出来事を紹介したいと思います。