世界で銅の獲得競争、なぜ起きているのかPhoto:Bloomberg/gettyimages

 世界有数の銅生産会社、カナダのファースト・クォンタム・ミネラルズ(FQM)の最近の経営悪化を受け、バイデン米政権は複数の潜在的投資家との話し合いを開始した。価値にして30億ドル(約4700億円)相当ともされるFQMのザンビア鉱山の権益を巡り、取得への関心があるかどうかを探る狙いがあった。

 米政府がアプローチしたのは米企業だけではなく、アラブ首長国連邦(UAE)や日本、サウジアラビアといった米国の国益上好ましいとみなされる国の企業なども含まれ、権益取得に関心があることが示されたという。事情に詳しい関係者が語った。

 米政府の目的は明快で、FQMが中国の手に落ちないようにし、中国が重要金属・鉱物の世界的供給に対する支配力を強めるのを防ぐことだ。