大阪府八尾市議会議員の松田のりゆき氏が、偽造したマイナンバーカードによって何者かに勝手に携帯電話を機種変更され、電子マネーを使い込まれたり、高級腕時計を購入されたりといった被害にあった。これは「SIMスワップ」と呼ばれる詐欺の典型例だ。どういう仕組みで、なぜこんな詐欺が可能になるのか、被害を防ぐにはどうすればいいかを解説する。(ITライター 大和 哲)
勝手に機種変更、ロレックス購入……200万円以上使われていた
5月2日の深夜、X(Twitter)にとある投稿がされた。八尾市議会議員・松田のりゆき氏のアカウントからのものだった。
本日、私が巻き込まれた犯罪について知っていただき、皆様もご注意いただきますことを切に願います。15時ころ外出中に急に携帯電話の電波が無くなってしまいました。電源を再起動させるなどしても変わらないのでソフトバンクの電波障害と思っていたのですが、そのような状況にないことを知り、ソフトバンクアリオ八尾店まで故障の原因を確かめに行きました。そこで驚愕の事実が判明したのです。なんと15時ころに愛知県名古屋市にあるソフトバンク柴田店で私の携帯電話が最新機種のiPhoneに機種変更していることになっていました。状況が理解できなかったのですが……(以下略)
この投稿ではさらに、自分の知らないところで携帯電話の番号が盗まれ、その番号で高額な最新機種へ機種変更がされていたこと、PayPayを5万円チャージされ使われていたこと、ソフトバンクカードを13万円チャージされて使われていたこと、さらには携帯を止めていたにも関わらず225万円もするロレックスを購入されていたことが記載されていた。