「SIMスワップ」詐欺とは?
被害に遭った松田のりゆき氏の投稿は、5月20日現在で約299万回も閲覧されている。これは「SIMスワップ」と呼ばれる犯罪の一例である。
携帯電話の中に入っている小さなSIMカードはそれぞれ固有のIDを持っており、どれか一つのモバイルアカウントと紐付けられている。自分のSIMカードをスマートフォンに差し込むことにより、通話やデータ通信、SMSができるようになり、自分の端末としてスマートフォンのさまざまなサービスを利用できるようになる。
SIMスワップ詐欺とは、悪意を持った攻撃者が他人になりすまして電話番号を乗っ取り、攻撃者のSIMカードに被害者の電話番号を移して乗っ取ってしまうことを指す。SIMカードを乗っ取れば二要素認証も通るようになるので、オンラインバンクやクレジットカードの不正利用を行えるようになる、というハッキングの手口である。「SIMハイジャック」とも呼ばれる。
このタイプの犯罪は、海外では報じられることがあるものの、これまで日本ではほとんど取りあげられてこなかった。しかし今回は、民放テレビやオンラインメディアもこの事件を報じている。被害者が市議会議員であること、被害の大きさ、そして、身分証明書として「偽造マイナンバーカード」が使われたという点がニュースバリューとなったのだろう。