とにかく毎日
行動を起こす習慣を

 努力を要する重要課題は、すぐに満足が得られないなら、先延ばしの対象になりやすい。もっと楽しいことをするほうがずっと簡単だからだ。たとえば、テレビを見ることや友人と遊ぶことといった、努力を要しない課題に取りかかることは簡単で楽しい。

 問題は、努力を要する重要課題を先延ばしにすると、時間が経過するにつれてストレスと後ろめたさを感じることだ。もしそうなら、努力を嫌がる傾向を克服することが大切になる。

 その解決法を紹介しよう。

 困難な課題に取りかかるために私が発見した最も効果的な方法は、一定のシステムを確立することだ。これならモチベーションや意志力に頼る必要がない。行動は習慣によって促されるからだ。

 努力を嫌がっているためにふだん課題を先延ばしにしているなら、これから紹介する方法を試すといい。

 収入を増やすために副業を始めたいと思っているとしよう。どんなタイプの事業を立ち上げるにも努力を要する。当然、長期にわたって真剣に取り組まなければならない。しかも、その報酬はたいてい何カ月か何年も先のことになる。

 もし副業をこんなふうにつらいイメージでとらえているなら、大きな葛藤を経験することになる。あなたの脳は、事業を立ち上げるのに必要な課題を先延ばしにするように働きかけ、その代わり、より楽しくてすぐに満足が得られそうなことにフォーカスするように仕向ける。

『「先延ばしグセ」が治る21の方法』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)『「先延ばしグセ」が治る21の方法』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
デイモン・ザハリアデス 著、弓場隆 訳

 この葛藤を克服するには、一定のシステムを確立すればいい。たとえば「毎晩6時から7時まで副業に取り組む」という誓いを立てよう。それを数週間継続すれば習慣になるから、毎日その時間帯に副業に励むことができる。

 あるいは、立ち上げたばかりの事業を軌道に乗せるのに不可欠な3つのことを見きわめて、毎朝、目が覚めたらすぐにそれに取りかかるといいかもしれない。

 こんなふうに一定のシステムを確立すれば、その日にすべきことにフォーカスするだけですむ。重要なのは、とにかく毎日、行動を起こす習慣を実行することだ。

 適切な課題に取り組んでいるなら、日々の努力はいつか好ましい結果をもたらすに違いない。この例で言えば、副収入を安定的にもたらす事業である。