気が乗らなかったり、時間がかかったり、他に楽しいことがあったりで、ついついやってしまう「先延ばし」。例えば、テスト前に勉強する気が起きないという学生も多いだろう。先延ばし癖を付けないために、今から改善に向けて動き出そう。※本稿は、デイモン・ザハリアデス『「先延ばしグセ」が治る21の方法』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・編集したものです。
先延ばし癖=怠け癖ではない
行動を起こす習慣を身につける
先延ばし癖は怠け癖と密接にかかわっているので、本質的に同じだと考えている人が多いが、実際にはこのふたつは微妙に異なる。怠け癖が先延ばし癖につながることはよくあるが、先延ばしの常習者の大半は必ずしも怠け者ではない。
怠け癖と先延ばし癖の定義を明確にしよう。
■怠け癖とは、課題に取りかかりたがらないことである。
■先延ばし癖とは、課題に対して行動を起こすのを延期することである。
この違いがわかるだろうか?
課題を先延ばしにする人は、いずれそれに取りかからなければならないことを知っている。ただ、そのタイミングをギリギリまで延期しているだけである。
その典型がテスト勉強だ。先延ばし癖のある学生は、テストはなくならないから、いずれ勉強を始めなければならないことを知っている。
一方、怠け癖のある学生はテスト勉強を先延ばしにするのではなく、それを完全に無視する。現在も未来も勉強する気などさらさらない。勉強は努力を要するので、怠け癖のある学生はそれが嫌いなのだ。
たとえば、怠け癖のために苦労していて、いつもギリギリまで課題を延期しているとしよう。あるいは、もっとひどいことに、それを無期限に延期している。ToDoリストにある重要項目に取りかかるべきだとわかっているのに、じっとソファーに座ったままテレビを見ている。
どうすればこの習慣を断ち切れるだろうか?
まず、怠けてしまう理由を見きわめよう。セルフイメージが低いために怠けているのかもしれない。目の前の課題に興味がないために怠けている人もいるだろう。さらに、嫌だと思う課題に直面したときの習慣として怠け癖がついている人もいるに違いない。
この行動パターンを引き起こす原因がたいてい存在する。その原因を見きわめることが成否のカギを握る。
次に、行動を起こせなくしていると思う問題を見きわめよう。その問題は本当に解決できないのか自問する必要がある。調べているうちに、それが単なる幻想にすぎないことがわかるかもしれない。それは存在しないか、想像しているよりずっと小さい影響力しかない。怠け癖を正当化するために思いついただけかもしれない。