たとえば、ジョギングを始めようとしているなら、そのときの問題は、ジョギングシューズをどこに置いたかを忘れたことかもしれない。だが、それは本当の問題ではない可能性が高い。家の中でジョギングシューズを置く場所はかぎられているからだ。この場合、その「問題」は、怠け癖を正当化するために思いついたものだ。

 第三に、行動を起こす習慣を身につけよう。怠け癖で悩んでいる多くの人は、モチベーションが足りないことが原因だと思い込んでいるが、モチベーションは誰にとっても一時的なものだ。行動を起こす人と言い訳をする人の違いは、行動を起こす習慣を身につけているかどうかである。

 幸いなことに、この習慣は、ほかのすべての習慣と同様、学習して身につけることができる。大切なのは、時間をかけてふだんの生活に取り入れることだ。

なぜ「退屈」なのかを考え
行動も思考も切り替える

 課題を先延ばしにしていることに気づいたら、その課題が退屈だと感じていないかどうか自問しよう。もしそう感じているなら、退屈を克服する方法を考え、行動を起こせなくしている心理的要因を取り除こう。

 目の前の課題が退屈だと感じるのは、いくつかの原因がある。気が乗らないのかもしれない。すっかり慣れていて、眠気をもよおすほど退屈な作業なのかもしれない。なぜその課題が重要なのかわかっていないからかもしれない。

 退屈を克服する方法は、退屈だと感じている理由による。

 気が乗らないことが理由なら、意欲をそそるやり方に変えてみよう。創造性を発揮しよう。たとえば、複数のスキルを使って課題を処理する方法を考えるとか、他人と競争するといったことだ。

 繰り返しをともなう単純作業をしているなら、ゲーム性を持たせてワクワクする方法を考えてみよう。たとえば、20分で何通の封筒に書類を入れられるか挑戦するのだ。もし同僚が同じ作業をしているなら、楽しみながら競争するといい。

 目の前の課題がなぜ重要なのかわからないなら、上司に理由を説明してもらおう。フリーランスや専業主婦、大学生のように上司がいないなら、その課題に取り組む必要があるのかどうか自分で見きわめよう。

 退屈とは自らに課したものだから、退屈だと感じる原因をコントロールすることができる。つまり、退屈を克服し、それによって先延ばしの衝動に打ち勝つのに役立つ独自の戦略を立てればいいのだ。