米電気自動車(EV)大手テスラの株主は来月、イーロン・マスク氏について大きな決断を下す必要に迫られている。テスラの最高経営責任者(CEO)で世界有数の富豪であるマスク氏に対して、現在460億ドル(約7兆1700億円)に相当するストックオプション(自社株購入権)の供与を認めるかどうかが、6月13日に再び株主投票にかけられる予定だ。この報酬については、米デラウェア州の判事が1月に無効と判断した。このような巨額の報酬パッケージに関する再投票は未知の領域であり、テスラにとっては多くのことがかかっている。同社は野心的な計画を掲げており、その実現にはマスク氏が不可欠だと取締役会は考えている。承認されれば、投資家の懸念は払しょくされるはずだ。報酬を受け取れなければマスク氏が会社を去る可能性が危惧されており、それが株価を下押ししていると一部投資家はみている。またテスラは、新たな投票によって法廷での長々とした上訴手続きを回避できることを期待している。