米国民が酒を何杯か引っかけて臨まずにはいられない大統領選があるとすれば、今年実現しそうなジョー・バイデン氏とドナルド・トランプ氏の再対決がその筆頭だろう。ただ、両候補自身は酒を飲まない。成人の3分の2近くがアルコールをたしなむ国にあって両氏とも禁酒を貫いている。それはゴルフ好きの高齢白人男性という以外の数少ない2人の共通点だ。「あなたはどの候補者と一緒にビールを飲みたいか」。有権者の好感度を測るバロメーターとして選挙期間には長年この調査が実施されてきた。だが今回、この質問は不毛なものになっている。民主党の現職大統領と共和党の前大統領との対決という、前回と同じ顔ぶれによる激しい一騎打ちの可能性に、国民の多くは二日酔いのような気分を抱いている。