荒々しいギターリフと激しいドラムビートでスラッシュメタルを開拓したメタリカが、今度は持続可能な燃料で走るトラックのための道を切り開こうとしている。メタリカは1986年のヒットアルバム「メタル・マスター」以来、ロックミュージックの中心を担ってきた。今夏の欧州ツアーでは、バイオメタンや植物油などの燃料で走るトラックを採用し、社会問題への取り組みをさらに進めようとしている。欧州のトラックメーカーであるイベコと連携し、代替燃料の補給ステーションが点在する欧州の幹線道路であれば大型トラックを使った持続可能な輸送が可能であることを示すつもりだ。しかし、こうしたトラックには限界があり、メタリカの機材運搬を担当する企業は、スウェーデンからスペインまで欧州大陸各地を巡る約1万1600キロの輸送のために綿密な計画を立ててその限界に対応しようとしている。つまり、通常の輸送でトラックに炭素排出量の少ない燃料を使用するには程遠いということだ。