人工知能(AI)が熱い。文字通りだ。AIの爆発的な成長でデータセンターのエネルギー需要が急増し、不要な熱も大量に生んでいる。これが、サーバーの冷却システムを提供する企業にビジネスチャンスをもたらしている。国際エネルギー機関(IEA)によると、米国のデータセンターの電力消費量は2022年から26年にかけて約30%増加し、260テラワット時になる見通しだ。これは国内の総電力需要の約6%に相当し、米2400万世帯の1年分の電力を賄える量だ。そのエネルギーのほとんどは熱として放散されるため、冷却システムの必要性が高まることになる。オハイオ州に本社を置くバーティブ・ホールディングスは、この波に乗る企業の一つで、データセンターに電力・冷却システムを提供している。同社の株価は22年末から700%近く急騰。前四半期の受注は、為替変動の影響を除いて前年同期比で60%増加した。その結果、3月末時点の受注残高は63億ドル(約9900億円)と過去最高となった。売上高の約3分の1がデータセンター向けの温度管理製品によるものだ。