ウォール街好みの景気後退指標、「不調」続くEMIL LENDOF/THE WALL STREET JOURNAL

 ウォール街が好むリセッション(景気後退)指標の一つが壊れたように見える。

 米短期国債の利回りが長期国債の利回りを上回る状態は、「逆イールドカーブ」として知られる異常な現象だ。この現象は長年、景気後退が迫っていることを示すほぼ確実なシグナルと考えられてきた。過去8回の米景気後退では毎回、景気が失速する前に逆イールドが起きていた。逆イールドが明白な誤認警報となることはなかった。

 しかし現在、この流れが脅かされている。著しい景気減速の兆候が全くないまま、過去最長の期間(400営業日前後、計測方法によってはそれ以上)にわたってイールドカーブの逆転が続いている。米国の雇用主が先月に増やした雇用は17万5000人分と堅調で、今四半期の経済成長は前期より加速すると見込まれている。