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中東情勢緊迫、これからの世界
インフレ的なのかデフレ的なのか
米国とイスラエルによるイラン攻撃を機にした中東情勢の不安定化で、原油価格が急騰、原油取引の指標である米国産WTI原油の先物価格が、一時、1バレル119ドル台まで上昇した。
その後、原油価格は80ドル台に反落するなど乱高下しているが、世界は、インフレと景気減速というスタグフレーション入りのリスクを抱えながら、足元は中東での戦争推移と原油価格の動きに内外市場も一喜一憂することになる状況となっている。
だが、今回の事態が起こる前から、2026年は、世界経済やグローバル市場を見通す上で、インフレについて熟慮を要する年になるはずだった。
ここで熟慮が必要という意味は、日本銀行やFRB(米連邦準備制度理事会)などの政策決定に影響する月次の物価データのようなものに限定して言っているわけではない。むしろ中長期や超長期に見て、日本そして世界のインフレトレンドを見極める必要が出てきている局面であるように筆者は考えている。
というのも、ここ数年間で、例えば、AI(人工知能)のように物価や雇用などに影響を及ぼす新たな要素が加わりつつあり、それぞれの要素の先行きが非常に不透明だからだ。
「米国一強」から多極化する国際経済秩序や米トランプ政権の「米国第一」の関税政策に代表される反グローバル化、自由貿易に背を向けるアンチグローバリゼーションの流れへの変化など、長期、超長期の要素も絡んでくる。
世界は今後、インフレ的になるのか、デフレ的になるのか。
筆者は今年を含め今後3年程度の中期スパンで見れば、財政政策を中心にインフレ的要因が多いと考えるが、その先となれば、物価などの基調を見極める作業は複雑さを増す。







