「人間の50倍ものカロリーを摂らないと生きていけない鳥」を、もっと直感的に言い換える話。
スタンフォード経営大学院教授が学生に教えている、「ただの数字」を「感情を動かす数字表現」に変える文章術をbefore→after形式で100以上伝授する新刊『数字の翻訳』が、刊行された。本記事では、その中から「ある鳥の代謝の高さ」をわかりやすく伝える例を紹介する。(構成・写真/今野良介)
「人間」に置き換える
「数字の翻訳」はいろいろな感覚を呼び覚ます。
次の例で、あなたがハチドリになったらどんな感じがするかを、味覚や体の感覚を働かせながら想像してみてほしい。
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ハチドリの代謝は非常に活発です。平均的な成人男性の代謝がハチドリ並みだとすると、起きている16時間の間、コカコーラを毎分1本以上(1時間ごとに67本)飲み続けなくてはなりません。
「代謝が高い」と言われても、どういうことなのかすぐにはわからない。「50倍」高いなんて言われたら、もうお手上げだ。
だが、コーラを1分に1本飲み続けなければ生きていけないと考えると、数字が具体的に、かつ生き生きと見えてくる。
数本飲んだだけでお腹が炭酸でふくれ、どんどんはちきれそうになっていくのを想像できる。だからハチドリはあんなに速く羽根を動かしているのか、と。
生物の教科書を読んでいるような気分にならずに、驚異の念を感じることができる。
『数字の翻訳』では、このような「ただの数字」を「感情を動かす数字」に言い換える法を、100以上の具体例で伝えていく。
(了)
※本記事は書籍『数字の翻訳』の一部を元に編集しています。