ますます過熱する中学受験。子どもを本当に伸ばしてくれる志望校の見極め方や選び方、その志望校に合格するための効果的な「過去問対策」をやり方を、大人気プロ家庭教師の安浪京子先生が詳細に説明した『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』が発売に。本書より抜粋して、そのノウハウの一部をご紹介する。
「志望校」に対する認識は家庭によってかなり違う
中学受験をするからには受験する学校が必要ですが、塾に通い始める(あるいは中学受験をしようかと思う)時点では、志望校に対する認識が家庭によって異なります。
大きく分けると次の3つでしょう。
①もともと行かせたい学校がある(親の母校、憧れなど)
いわゆる有名校や伝統校が多いようです。進学校やカトリック校、大学附属校で親自身が充実した中高6年間を送った、あるいは社会に出て何らかのメリットを感じた等の理由から「これ以外の学校は考えられない」というご家庭。
②情報を見聞きして、ある程度行かせたい学校を絞り込んでいる
「女子校で周囲の目を気にせず、のびのびしてほしい」「国公立大の合格者数はやはり重要」「好きなことをさせたいから高校受験で時間を取られたくない」「学費を抑えつつ良い環境を用意したい」といった理由で、進学校や大学附属校、公立中高一貫校など、学校群が決まっているご家庭。
③開成、灘、御三家などの言葉は聞いたことがあるが、それ以外はよく知らない
親が中学受験をしていないケースが多く、子どもの学力を見てこれからおいおい決めていこう、というご家庭。
典型的な「志望校選び」パターン
このように、一口に志望校選びといってもご家庭によって立ち位置は様々です。しかし、塾では5年生の段階で志望校調査書が配られ、選んだ学校を3~5つほど書かされます。この時点で、どのご家庭も志望校選びが現実味を帯びてきます。
ここで皆さんが書くパターンとしては、
・偏差値の高い順に書く……「駒場東邦、海城、芝(すべて東京都)」など
・同じ偏差値帯を横並びに書く……「桜蔭、豊島岡女子、慶應中等部(すべて東京都)」など
の2種類が主流であり、いずれも偏差値という軸に縛られたものです。
しかし、この選び方はお子さんによっては非常にコストパフォーマンスの悪い選び方(!)と言えます。この点については、追って説明していきたいと思います。
*本記事は、『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』(安浪京子著・ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集して作成したものです。