約20年間、2000人以上のお子さんを指導してきた中学受験専門のカリスマ家庭教師・安浪京子先生は「ノートをひと目見ると、その子の学力や伸びしろがわかる」と言います。ノートとは、思考を整理して、それを自分や相手(採点者)に伝える基本の道具。しかし、子どもはもちろんのこと保護者ですら、ノートの価値を低く見積もって正しい使い方を知らないために、受験勉強で伸び悩んでいる子は多いのです。安浪京子先生と4人のベテラン講師が、中学受験生に向けて、数・国・理・社の4教科の正しいノートの作り方を解説し、「こんなちょっとのことで本当に点数があがるなんて!」との感激の声が寄せられている話題の書籍『中学受験必勝ノート術』の中から、一部を抜粋し、ご紹介していきます。(本書をさらに詳しく紹介した動画もチェック!)
「過去問ノート」を作ろう
6年生の秋以降は、いよいよ過去問対策が始まります。志望校の問題の傾向を把握するために「過去問ノート」を作りましょう。
学校別に作る方も多いと思いますが、結局、科目別に復習をすることが多いので、私は科目別をおすすめしています。
また、「ノート」と呼んではいるものの、実際はファイルのほうが使いやすくなります。問題用紙と解答用紙を貼っていくのでノートだと凸凹しますし、解き直しを順次差し込んでいきたいので、ページをフレキシブルに使えるファイルが便利です。
サイズはA4がおすすめです。問題用紙と解答用紙は本番と同じ大きさにコピーして解きますが、ほとんどの学校がB4~A3サイズなので、半分に折ればA4に収まります。問題用紙と解き終わって答え合わせした解答用紙、解答と解説をファイルし、間違った問題をルーズリーフに解き直して解答用紙の後ろに差し込みます。
また、これとは別に、「過去問結果ファイル」を作り、点数などの結果はこちらにファイルします。
過去問分析→志望校対策をすることが大事な理由
多くの親御さんが誤解されていますが、過去問はただ単にこなすだけではあまり意味がありません。
最も大事なことは、志望校の過去問から、その学校がどんな問題傾向なのかを分析し、その傾向に合わせた対策をすることです。
御三家などの超難関校は、塾にその学校名の冠のついた特訓クラスがあり、出題傾向に合わせた対策をしてくれます。しかしそれ以外の難関校・中堅校はそういった対策をしてもらえませんので、自分でやるしかありません。
たとえば、「立体切断」の問題がほぼ出ない学校なら、そこを手厚く勉強する必要はありませんし、「平面図形」がかなりの割合を占めているならそこを集中的に勉強すべきです。学校ごとに出題の癖もありますから、そこも慣れておく必要があります。
模擬試験はあくまで「模擬試験」であって、その志望校の傾向と同じ問題ではありません。ですから模擬試験での偏差値がよかったとしても、志望校の問題でも同じようによい偏差値が取れるとは限りませんし、その逆もありえます。
模擬試験では志望校の偏差値に届いてなかったのに合格できたという「逆転合格」は、志望校対策をしっかりして、その学校の問題ならできるようになっていたから、というケースが実は多いのです。
*本記事は、「中学受験必勝ノート術」からの抜粋に、加筆したものです。