子どもの頃に「おとなしい」と言われて嫌な思いをした方は多いのではないでしょうか。言っているほうは悪気はなくても、「おとなしい」という言葉にはどこか否定的な響きがあります。「内向的」という意味合いが込められている場合が多いからです。「外向的」な性格で悩んでいる人には会ったことがありませんが、「内向的」であることはよくないことと世間では受け止められてきました。しかし「内向的」な性格にも長所はたくさんあるのです。世界の大富豪イーロン・マスク、「ハリー・ポッター」シリーズの生みの親JK・ローリング、アップル共同創業者のスティーブ・ジョブズなど、世界の偉人とも言われる多くの成功者は、子どもの頃に内向的な性格でした。一人で深く思考を重ねるのが好きでした。だからいじめの対象になることも少なくありませんでした。しかし彼らは、ある時点で自分を成長させ、自分の良さを保ったまま、世に出ることができたのです。本連載では、最新の脳科学研究から明らかになった、「おとなしさの真実」とさまざまな「性格をリセットして成長させる方法」をお伝えします(本記事は『「おとなしい人」の完全成功マニュアル 内向型の強みを活かして人生を切り拓く方法』西剛志(ダイヤモンド社)より抜粋したものです)。

【脳科学の新常識】あなたの性格は、あなたのせいじゃないPhoto: Adobe Stock

あなたの性格の半分以上は、これまでの「恐怖学習」の積み重ねでつくられている

 性格を変えるには、まず、あなたが後天的に身につけた性格は何か、自問自答する必要があります。

 あなたはこれまで、どんな恐怖学習を獲得してきたでしょうか。幼少期に、どんな出来事があったのでしょう。あなたがもし、「すぐに人の目を気にしてしまう自分が嫌い」だと思っているのだとしたら、「人の目を気にしてしまう」ようになった原因は、何でしょうか。

 あなたの性格の半分以上は、これまでの「恐怖学習」の積み重ねでつくられているかもしれません。それを一つひとつ、剥がしていくことができれば、自然と本来の自分を手に入れることができます。

 私自身も今から18年前、病気になったとき、今までの人生を振り返りました。そこで、恐怖学習でストレスまみれになっている自分に気がついたのです。人といるだけでどっと疲れ、いつも人にどう思われているんだろうという気持ちにさいなまれ、不安を感じていたこともありました。

 それらの不安の原因を探ってみたとき、ふと、「小さいときから大切な人から一度もほめられたことがないのだから、この性格になっても仕方がないな」と腑に落ちた瞬間がありました。いやでいやでたまらない自分のこの性格は、自分のせいじゃない。これまでの恐怖学習の積み重ねなんだ。そう思えただけで、光がさしたように思えたのです。

※本記事は『「おとなしい人」の完全成功マニュアル 内向型の強みを活かして人生を切り拓く方法』西剛志(ダイヤモンド社)より抜粋したものです。