欧州のエリートたちは、ドナルド・トランプ氏の米大統領返り咲きという、自分たちが大惨事と考える迫り来る事態から身を守るために、かがみ込んで防御姿勢を取り、身を寄せ合ってきた。首相官邸やニュースの編集室、大学の談話室、企業や役所の豪華な幹部オフィスから、大西洋のこちら側(米国)の政治動向を恐怖を抱きながら見守ってきた。彼らが信じられないのは、ニューヨークとカリフォルニアの間にある無名の場所の米有権者たちが、グリーン革命や歳出の大幅拡大、多様性・公平性・包摂性という現代宗教へのさらなる献身のためにあと4年間、ジョー・バイデン氏と見識ある民主党に喜んで政権を担わせるのではなく、民主主義にとっての過去最大の脅威だと欧州大陸のエリート層が見なす人物を再びホワイトハウスに入れることに成功するかもしれないことだ。
【オピニオン】トランプ氏と欧州ポピュリスト右派
欧州エリート層は米大統領選を懸念するが、問題はもっと身近に
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