高市「危機管理・成長投資」は経済安全保障と成長の二兎を追えるのか、実現の鍵は採算性チェック衆院本会議で施政方針演説を行う高市早苗首相=2月20日、衆院本会議場 Photo:SANKEI

投資主導の成長戦略は期待できるが
経済安保名目で割高なコストを正当化!?

 高市首相は2月20日の国会での施政演説方針で「強い経済」実現など経済政策重視の姿勢を打ち出し、「危機管理・成長投資」をその軸にする考えを改めて語った。

 筆者は、高市政権に対して成長戦略の推進を期待してきた。ようやく官民一体の投資主導の成長戦略が動き出すことは評価できる。

 だが、危機管理投資の対象として位置付けられているプロジェクトの中には、例えば、南鳥島沖の深海6000mからのレアアース採掘など、疑問を感じざるを得ないものも少なくない。

 中国が世界の供給を占めているレアアースを日本が輸入できなくなると困るということで、日本独自での確保を目指して採掘に取り組むこのプロジェクトだが、コストは中国産の数倍になる可能性も指摘されている。十分に採算が取れるのだろうか。

 経済安全保障の名を冠してコスト面で割高のものを供給することを正当化しようとしている面がある。

 また半導体など戦略重点17分野と呼ばれる成長投資候補の中には、中国の競争力やそれへの対抗を強く意識したものがあるが、国家主導の産業振興が成功しやすいのは、規模の利益が働きやすい分野であり、17分野の中にはそれに当てはまりそうにもない分野も混じる。

 危機管理・成長投資には、政府主導で成長産業育成を図る成長政策と経済安全保障確保の二兎を追う面があると同時に、どちらもコストや採算の視点が弱いのが気になる。

 とりわけ、成長投資関連の事業には、民間企業や金融機関がきちんと関与して採算性確保を担保することが、成果を得る鍵になる。