フランスはギリシャではない。それがますます問題になっている。これまでフランスはギリシャとは異なり、財政規律を保つ圧力をほとんど受けてこなかった。債務膨張への懸念があったにもかかわらず、財政赤字は巨額に達した。そして現在、フランスは解散・総選挙という形の帰結に直面している。世論調査によると、総選挙では政府支出の拡大と欧州連合(EU)への対立姿勢を掲げるポピュリズム(大衆迎合主義)の極右政党が勝利する可能性が示されている。投資家にとって全く気に入らないことになった。投資家はフランスとギリシャは同じだと決めつけたわけではないが、スペインやポルトガルと同列に扱う姿勢を強めている。スペインとポルトガルは以前、アイルランドとギリシャと共に、問題を抱えた欧州4カ国を指す「PIGS」の一角としてあざけりの対象になった。