「もはや派閥の時代ではない」と言われて久しい。ここはチャンスだ。「創造的破壊」の瞬間だろう――。2009年の小池百合子氏の指摘は、まるで現在の「派閥とカネ」の問題を予言していたかのようだ。都知事選に立候補を表明した小池氏は、東京と日本が再び活力を取り戻すために都知事として何を変えるつもりなのか。都知事選への立候補を表明した現職が今だからこそ語る「派閥とカネ」と「都政の未来」。(構成/宮下舞子)
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――いま、一部をのぞいて派閥は解散されました。これから自民党や政治全体にどのような変改が起こると考えていますか?
これまでの派閥は、その派閥のトップを総裁、総理にする目的と、「共同体」という両方の機能を持っていました。今後、共同体の部分がかなり壊れていくならば、次の総裁選びは、議員が「誰のもとで選挙をした方が自分の当選確率が上がるのか?」という観点で判断するようになるのではないでしょうか。
――そうすると、国民からの人気が高い人が総裁に選ばれやすくなるのでしょうか?
そこは議員同士ですから、候補者の力量はきちんとわかっています。人との付き合いが良いのか悪いのかなども含めて。ただ飲み会だけしていればいいというものでもありません。やはり議員も一人一人をしっかりと見ていますよ。だから「派閥の長が決めた候補者に投票しろ」という縛りがなくなっていけば、面白い現象が起きてくると思いますね。国民のニーズに資する人が自民党の総裁に選ばれやすくなるのではないでしょうか。