1月20日夜にロイナムル島の建物のドアや窓を突き破った波は、地球上で特に機密性の高い軍事施設にとって招かれざる客だった。暴風雨による高波が小さな島の中まで押し寄せ、米軍施設に被害をもたらした。滑走路は冠水し、ミサイル試験場の職員120人のうち4分の3が避難を余儀なくされた。米国防総省によると、世界各地に点在する5000余りの施設のうち約1700カ所が、気候変動の影響を受けやすい沿岸部にある。重要でありながら特に危険にさらされているのが、ハワイとオーストラリアの中間に位置するマーシャル諸島共和国クワジェリン環礁の島、ロイナムルだ。この島には米ロナルド・レーガン弾道ミサイル防衛試験場があり、1950年代初頭以降、ミサイルや防衛システムの格好の実験場として重宝されてきた。偵察衛星の監視や全地球測位システム(GPS)用の設備も置かれている。
米ミサイル実験場を脅かす海面上昇、対策は
暴風雨で浸水する太平洋マーシャル諸島の米軍施設、人工サンゴ礁は解決策になるか
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