井戸先生 金融機関選びでもう1つ忘れてはいけないことがあります。新NISAには、つみたて投資枠のほかに、成長投資枠があるとお伝えしましたね。成長投資枠では、株式投資もできるのですが、株式投資は証券会社でしかできません。もし、株式投資をする可能性があるなら、銀行ではなく証券会社を選ぶ必要があります。

もえ なるほど…。私は少し株主優待にも興味があるから、やっぱり、ネット証券かな。

井戸先生 あせる必要はありませんが、先延ばしをしていると、いつまでも新NISAも利用できませんから、慎重に、でもスピーディーに口座開設を済ませてしまいましょう。金融機関の変更はできますが、1年に1回しかできず、変更前のNISA口座の金融商品は新しい口座に移せないことも知っておいてくださいね。

もえ よし! 早速口座開設するぞ~!

井戸先生 あ! 株式投資をするかもしれないもえさんに1つ注意点がありました。口座開設の際に「配当金受取方式」を選ぶ必要があるのですが、必ず「株式数比例配分方式」を選択してください。難しいワードですが、これは株式の配当などを証券会社の取引口座で受け取る方式です。NISA口座で管理する株式の配当などを非課税で受け取るには受取方法を「株式数比例配分方式」にする必要があります。この方式以外を選ぶと新NISAの非課税の適用を受けることができないので、注意してくださいね。

iDeCoのスタートは
40代からでも大丈夫

みさき ここまで新NISAの仕組みや魅力について先生に解説してもらいましたが、もう1つの非課税制度であるiDeCoについてもぜひ知っておきたいところです。

井戸先生 iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、自分のための年金を自分で積み立てる制度です。原則として20歳以上65歳未満の国民年金・厚生年金加入者ならば誰でも加入することができます。

もえ 公的年金では足りないお金を自分で作る制度ということですね。

井戸先生 そうです。仕組みとしては、拠出(=積立)・運用・受取の3つの段階に分けることができます。まず、掛金の拠出については、指定口座から口座振替し、自分で設定した掛金額(毎月5000円から1000円単位で設定)を積み立てていきます。そして運用では、自分で選んだ運用商品(投資信託、定期預金、保険)で掛金を運用していきます。