2024年から始まった新NISA。非課税保有期間が無期限化・投資可能期間が恒久化されたため、さらに柔軟に投資ができるようになった。しかし、始めるにあたっては知っておくべきことも多い。本稿は、井戸美枝『好きなことを我慢しないで100万円貯める方法 20代女子のためのお金の基本』(幻冬舎)の一部を抜粋・編集したものです。
みさき…会社員、25歳。お金に無頓着。好きな仕事・やりがいのある仕事なら、給料にはこだわらない。
もえ…フリーランスのWebデザイナー、25歳。みさきの高校時代の親友。お金に関心があり、投資やNISAにも挑戦している。最近、保険にも興味を持ち始めた。
井戸先生…社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー。20代のふたりの悩みや疑問に先輩&専門家として優しく答える。
積極派はネット証券
慎重派は銀行がお勧め
みさき 新NISAを始めるにあたって、NISA口座を開設する金融機関はどうやって選べばよいのでしょうか?
井戸先生 新NISAの口座は1人1つと決まっています。つまり、利用する金融機関を1つに絞らなければいけません。一度積立を始めると、長期で利用することになるので、金融機関選びは慎重にしたいですね。
もえ 失敗しない金融機関選びのコツなどがあれば、ぜひ教えてください!
井戸先生 新NISAでは、どの金融機関を選んでも、手数料は一律無料であるため、その点での比較は不要ですよ。ただし、商品ラインナップ、最低積立額、積立方法、サポート内容などは、金融機関によって大きく異なるため、口座を開設する前にはきちんと調べたほうがよいでしょう。
みさき 銀行でも口座開設はできるのですか?
井戸先生 銀行はもちろん、証券会社、ゆうちょ銀行などでも口座を開くことができますよ。ですから、まずは、取り扱っている商品のラインナップを確認しましょう。口座を開設した後に、「気になっていた商品が取り扱われていなかった」となっても遅いですからね。
もえ たしかに、NISAをスタートした矢先に、投資したかった商品の取り扱いがなかったら、やる気がなくなりますね。
井戸先生 金融機関の選択肢としては、主に「ネット証券」と「銀行」の2つがありますが、商品のラインナップの点から見ると、ネット証券に軍配が上がります。銀行の取扱商品数が数本~数十本程度なのに対して、ほとんどのネット証券の取扱商品数は100本を超えており、大きな差があります。
みさき それなら、ネット証券を選んだほうがよいということになりませんか?
井戸先生 そうですね。自分で投資信託の種類を調べて、商品選びも1人でできてしまうもえさんのような人は、口座開設もスマホ1つで簡単にできるネット証券を選ぶとよいかもしれません。ただ、「投資信託の仕組みがわからない」「どの商品を選んだらよいか、選び方がわからない」など、相談したいみさきさんのような人は相談窓口がある銀行が、安心かもしれませんね。
みさき たしかに私の場合、「利用したい商品がその金融機関になかった」とがっかりするよりも前に、そもそも、どの商品を選んだらよいのかがわからないかも。まずは、誰かにゆっくり教えてもらって、納得してから商品を選びたいです。