【ビル・ゲイツ独占インタビュー】孫正義の素顔を語る「マサの信じられない寛大さに私は救われ続けた」Photo:JIJI

想像を絶するスピードとスケールで10兆円企業をつくりあげた経営者から学ぶべきことは多い。孫正義ソフトバンクグループ代表の評伝『志高く 孫正義正伝 決定版』(実業之日本社文庫)の著者井上篤夫氏が孫氏を深く知る人物と対談し、ビジネスパーソンに学びをお届けする連載「ビジネス教養としての孫正義」の第20回。最終章の対談相手は、IT界の巨星ビル・ゲイツ氏。日本とアメリカでIT革命を牽引してきた2人のリーダーはどのように互いを支え合い、高め合ってきたのか。(構成/ダイヤモンド・ライフ編集部 松本幸太朗)

ビル・ゲイツが感激した孫正義の「粋な計らい」とは?

井上 前回のインタビューから30年以上がたちました。 

ゲイツ あの頃は素晴らしかった。 ポール・アレンさんや西和彦さん、マサ(孫正義)といった素晴らしい人たちと仕事をする機会に恵まれたからです。

 当時の私たちはパーソナル・コンピューターと、それがもたらす魔法を信じる人間たちの小さなグループに過ぎませんでした。

 マイクロソフトにとって日本は重要な拠点の一つでした。NECのマシンをはじめ、OKI(沖電気工業)、富士通、三菱(電機)など、初期のパーソナル・コンピューターや主要なテクノロジーが数多くあったからです。 多くの創造に携わる機会に恵まれたことはマイクロソフトにとって幸運でした。

 当時、マサはソフトウェアの卸売りをしていましたが、それ以上に事業を発展させていきましたね。 振り返れば、とてもいい思い出です!

井上 ブレイクスルー・エナジーに関連して、あなたとマサのコラボレーションはどのようにして実現したのですか?また、このような重要な協力関係を築いた理由は何だとお考えですか?

ゲイツ 私たちは長い付き合いで、出会いは日本のパソコン産業の初期にまでさかのぼります。 そして、インターネット関連のベンチャー企業への投資も一緒に行ったことがあります。

 2015年、私がブレイクスルー・エナジーの資金を調達していたとき、マサに連絡を取りました。 当初、私は彼に5000万ドルを依頼したが、彼は「いや、本当はいくら必要なんだ?」と言ってくれたのです。 当時、私はできる限り早く資金調達の発表をしたいと思っていましたが、すべての資金を集めきれていませんでした。そんなとき、彼は1億ドルを気前よく出してくれたのです。

 彼は信じられないほど寛大で、一番役に立てる方法は何かと私に尋ねてきました。 そして、数年前には第2ラウンドの資金調達に参加して、大きな支援をしてくれました。

 いずれにせよ、私たちは互いに支え合い、絶えず連絡を取り合ってきました。 マサは気候変動への取り組みに熱心で、個人やソフトバンクを通して、投資をしています。 私たちはよく会って、最新のデジタル技術や気候変動について話し合っています。

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