高配当株を見つけるための“シンプルな判断基準”について学びましょう！
元消防士が株式投資で築いた資産は、なんと8億円！ 三重県在住の専業投資家・かんち。49歳で早期退職してからというもの、生活費のすべてを株の配当金でまかなっている。その配当金の総額は、なんと年間2000万円超え。高配当株と株主優待株を組み合わせた「買ったらほとんど売らない」という手間のかからない“ほったらかし投資術”は、初心者の新NISAにも参考になる。「その投資術を知りたい！」と、長年著作の刊行を期待されていたものの、すべて断ってきた投資歴40年のベテランが、初めて著した話題の書『ほったらかしで年間2000万円入ってくる 超★高配当株 投資入門』（ダイヤモンド社）より一部を抜粋・編集したものをお送りする。
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高配当株の探し方
5つのステップ
みなさんの関心事である「どうやって高配当株を見つければいいのか？」について説明しましょう。
「配当利回りが高ければ、なんでもいい」と考えるのは、かなり危険です。高配当株を適切に選ぶためのステップをきちんと押さえておきましょう。
これから説明する5つのステップを踏まえれば、そう大きな失敗はしないと思います。今回はステップ3について紹介します。
ステップ3
「PER×PBR＝15倍超」
の割高銘柄を除外する
「PER」と「PBR」という“王道の指標”がポイントになりますが、シンプルに「PER10倍以下」「PBRが1倍以下」を割安株の目安とします。
配当利回りと増収増益・増配の推移をチェックしたら、さらにPERとPBRが割高な銘柄を除外していきます。具体的には、「PERが10倍より高い」「PBRが1倍より高い」株を除外していくわけです。
こういうと、「PERは10倍より高いけれども、PBRは1倍以下の株も排除なのだろうか」といった疑問を抱かれるかもしれません。そうしたときは、「PER×PBRが15倍以上」であれば割高だと判断して除外、15倍未満であれば除外しないというやり方でもいいです。
業種別のPERとPBRもチェック
なお、より精度の高い絞り込みをするには、業種ごとの平均的なPERやPBRも頭に入れておくといいです。日本取引所グループが毎月公表している規模別・業種別データによると、2024年6月のプライム市場全体のPERは平均21.8倍ですが、電気・ガス業6.8倍、非鉄金属業78.7倍と、業種ごとにかなり開きがあります。
同様にプライム市場全体のPBRは平均1.8倍ですが、銀行業0.4倍、情報通信業2.2倍と、けっこう差があるのです。
これがわかっていれば、「このPBR（PER）は全体でみれば割安だけど、同業種のなかでは割安とはいえない」ということも見えてきます。
ROE（自己資本利益率）にも着目
あと、余裕があれば、PERとPBR以外にも、「ROE」と「EV/EBITDA」もチェックしてみてください。PERやPBRは知っていても、ROEとEV/EBITDAにはなじみがないという人も多いかもしれませんから、ざっと説明しておきましょう。
ROE（Return On Equity：自己資本利益率）とは、「当期純利益÷自己資本×100」で計算され、いかに会社が資本を効率よく活用し、利益をあげているかを示す指標です。
