「カジノ法案が成立」と聞けば関連会社の株を買い、ポケモンGOやゼルダの伝説が話題になれば、すぐに任天堂の株を買う。うまく売り抜ければ良いですが、こうしたニュースだけで株を売買する投資家は短期投資家が多いといえます。

 そのため、売り買いが交錯しやすく高値掴みをしてしまい、往々にして売るタイミングを逃し、失敗してしまう人が多いのです。

 やはり、ローリスク投資をするためには、中長期的に株価が上がり続けるかどうかを吟味する必要があります。

 インバウンド消費(訪日外国人観光客による日本国内での消費活動)として、中国人観光客の爆買いが以前話題になりました。これにより、ラオックス、ドン・キホーテ、ビックカメラ、その他ホテルや百貨店などが、インバウンド関連銘柄として株価を上げたのです。

 しかし、爆買いはさほど長続きしませんでした。爆買いをあてにしていた企業は次々と業績不振に陥り、株価も大幅に下がっていきました。

 一時のブームで株を購入するのは危険です。ブームがニュースになったときには、すでに株価は高値になっています。もっと上がると期待していると急にブームは去り、株価は一気に下がります。

「噂で買って、ニュースで売れ」という相場の格言があります。この意味は、「好材料(株価に対してプラスになる情報)を入手したのであれば、それが噂の段階で株を購入し、間違いのない事実だとわかり、株価が大きく値上がりしたときに売れば確実に儲かる」ということです。もし短期で儲けたいのであれば、胸に刻む必要があります。

 先程の例でいうと、中国人観光客が爆買いするらしいという噂の段階で関連株を買い、ニュースになったところで売るということになります。

 しかし、噂が本当になるかどうかはわかりません。やはり初心者は、短期での取引は控えた方が安心です。

取らぬ狸の皮算用で形成された
ベンチャーの株価の行方は?

 他にこんな事例もあります。

 2023年4月に上場したispaceという宇宙ベンチャーです。月面探査プログラムのミッションの成功を期待し、株価は公募価格の9倍、初値から2週間で2倍以上に上昇しました。しかし、月面への軟着陸に失敗し、株価は急落し1カ月足らずで3分の1ほどになりました。成功すればさらに人気になる可能性がありましたが、失敗というリスクに対して株価は下落するしかありませんでした。