スレイマンの親族が、彼の語る記憶の真偽を確かめにガリフェに行くと、思い出した前世の名と同じ名前の首長が12年前に亡くなっていたこと、搾油機の所有やその生涯がスレイマンの記憶と一致することなどがわかった。
その後、ガリフェを訪れたスレイマンは、首長の家族こそ見分けられなかったものの、いくつもの関連する場所や人を見分けたり、その首長の特徴を示したりしている。
【ボンクチ・プロムシンの事例】
1962年、タイに生まれたボンクチは、話せるようになるとまもなく、前世について話し始めた。前世での出身地やチャムラットという名前、その両親の名、そして自分が祭りの日に刺殺されたということまで語った。彼がこの自分の死の模様を口にしたのは、2歳の頃だという。のちに、この殺人事件が事実であったこと、ボンクチの語った犯人の名前などが一致していることが確かめられた。
また、ボンクチには、タイ人らしくない変わった行動や食べ物の嗜好があったが、これはラオス人特有のものであった。また、ボンクチは家族には理解できない言葉を口にすることがあったが、これもラオス語であることが判明する。チャムラットの一家はラオス人だったのである。
だが、成長するにつれて前世の記憶を語ることはなくなり、その変わった振る舞いもしだいに消えていった。
(以上、いずれも『前世を記憶する子どもたち』<イアン・スティーヴンソン著 笠原敏雄訳 日本教文社>より)
しかし、以上のような文献等に報告された事例だけでなく、私の知人にも、過去生体験を持つ人が複数います。
その中の一例をご紹介しますと、某病院の理事長であり、皮膚科・ホリスティック医療を行っている40代の女性医師は、エジプトを訪れた時に、ある神殿で、かつて自分がここで働いていたことを思い出したと言います。それだけでなく彼女は、初めて訪れたその神殿内の細部まで思い出したというのです。
亡き母との再会が確信させてくれた
「あの世」と死後の生
ほかにも私には、母の死にまつわる不思議な体験があります。
ある時、知人の紹介で母を交霊してもらう機会に恵まれました。つまり、死者となった母と会話したのです。