ますます過熱する中学受験。子どもを本当に伸ばしてくれる志望校の見極め方や選び方、その志望校に合格するための効果的な「過去問対策」をやり方を、大人気プロ家庭教師の安浪京子先生が詳細に説明した『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』が発売に。本書より抜粋して、そのノウハウの一部をご紹介する。

【夏休みは中学受験の天王山!】意外に知らない!「赤本」の選び方Photo: Adobe Stock

過去問題集は目的によって使い分ける

赤本とは、学校別に入試問題を集めたものの通称で、学校名がタイトルになっているものを言います。表紙が真っ赤なものが多いのでこのように呼ばれていますが、出版社によって表紙が赤以外のものもあり、単に、
「特定の学校の過去問題集」=「赤本」
という意味で使われています。

赤本は様々な出版社から出ている

関東地方ならば「声の教育社」「東京学参」、関西・東海地方ならば「英俊社」が幅広い学校を扱っており、単なる入試問題だけではなく、解答、解説はもちろんのこと、解答用紙や配点、合格者平均や合格最低点、頻出分野の分析、学校情報など色々な内容が含まれているものもあります。ただ、掲載されている過去問の量(年数)は学校によって異なり、値段も学校によって異なります。

ただし、配点は出版社想定の学校が多く、学校によっては過去の得点情報が記載されていません。時々答えや解説に誤りがある場合もあるので、解いた問題で疑問を感じることがあれば塾の先生等に聞きましょう。

志望校が決まっておらず、幅広い学校の過去問を1冊で見たい場合は?

志望校がまだ決まっていなくて、出題傾向を知るために色々な学校の過去問をパラパラ見てみたい、という時には、
『有名中学入試問題集』(声の教育社)、『中学入試試験問題集』(みくに出版)
のいずれかがおすすめです。

『有名中学入試問題集』は関東の最難関校・難関校を中心に最新年度の過去問が4科目セットで入っており、各学校の傾向を見ることができます。

『中学入試試験問題集』は、カバーが銀色なので、通称「銀本」と呼ばれ、塾によっては指定で買わされることもあります。私立中学用は関東のほとんどの学校と一部それ以外の学校、公立中高一貫校用は全国の学校の最新年度の適性検査問題が掲載されているため、目指している学校の偏差値帯が広く、色々な学校の入試問題が見たい場合に便利です。

私立中学用は科目別になっており、必要な科目だけ購入することができます。

ただし、解説は一切載っておらず、解答しか載っていません。配点の記載もなく、点数を出すことができないため、入試問題の見本市だと思って活用してください。

*本記事は、『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』(安浪京子著・ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集して作成したものです。