2017年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの魔法』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。

ありがとうの魔法Photo: Adobe Stock

「無料でいいです」というのは「傲慢」、お金を受け取ってあげるのが「謙虚」

「あなたの『書』を1000円で売ってください」と言われたときに、「あなたにはお世話になっているので、お金は取れません。無料で差し上げます」と言ってはいけません。

 なぜかというと、無料で差し上げた場合、無料でいただいた人は、「二度と買いたいと言えなくなってしまう」からです。じつは「相手の言い値で売ってあげる」のが「謙虚」なのです。

 相手が「1万円で買いたい」と言ってきたときに「そんなつもりで書いたわけではないので、タダで持っていってください」と言ってしまうことを、「驕り」「高ぶり」「うぬぼれ」「傲慢」といいます。

「無料でいい」ということは、せっかく自分の書を気に入ってくれて「買いたい」と言ってくれた人に、「もう二度と買いにこないで」と言っているのと同じです。

 有料であれば、何度でも書を書いてもらうことができます。けれど、「無料でいいです」と言われてしまうと、次回、相手が頼みにくくなってしまいます。

 無料にされてしまうと「あれも書いて、これも書いて」と頼めなくなります。ということは、お客様をひとり失うことになるのです。それに、ずっと「無料」では、自分自身も、その仕事を続けていくことができなくなってしまいます。

 大切なことなので、もう一度言います。

「頼まれごと」でお金を払うと言っている人に、「私はお金を受け取れません」と断ることを、「驕り」「高ぶり」「うぬぼれ」「傲慢」といいます。

「お金を受け取れない」なんて、自分で決めてはいけないのです。

 ですから、相手が「有料で買いたい」と申し出てきたら、「無料でいいです」とは言わずに、お金を受け取る、これを「謙虚」といいます。

 そのように「宇宙の流れ」に乗っていると、いつの間にか「頼まれごと」が増えていくことに気づきます。だから、「努力」も「頑張り」もいらないのです。

 人が喜んでくれるのなら、人に頼まれたのなら、「はい、わかりました」と言って、やり続けていく。

 いくらでも「頼まれごとで、喜ばれること」をやり続けて、疲れ果てて死んでいく。それでいいのです。