【シンガポール】西側企業が安価な中国製品による新たな輸出猛攻におののくなか、中国では異なるドラマが繰り広げられている。政府が新たな需要を掘り起こすことなく工業生産能力を拡大させているため、中国メーカーは苦境に陥っている。
例えば、電池に使われるリン酸鉄リチウムを製造する江蘇龍蟠科技(ジャンスー・ローパル・テック)の場合、直近の年次報告書によると、2023年に1億6900万ドル(約265億円)の損失を出し、ほぼ3年分の利益を帳消しにした。赤字の原因は、中国のリン酸鉄リチウム市場の過剰生産能力と国内電池メーカーの需要減速にあると同社は言う。