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今年のゴールデンウイーク、中国からの海外旅行先で一番人気は日本だったという。しかし同じ頃、中国では「反日」「愛国行為」を打ち出したことにより、ミルクティーで有名なある飲料メーカーの売り上げが400倍と激増するという事態が起きていた。日本人の目から見ると不思議としか思えない「愛国行為」とは……。(日中福祉プランニング代表 王 青)

あるミルクティー会社の売れ行きが400倍に

 最近、日本に訪れた中国人の一部が日本国内で「愛国行為」を行い、それをSNSで披露することで称賛を浴びるケースが目立つ。しかし、それらはSNSで閲覧数や「いいね」を集めるためのものであり、多くの在日中国人や日本の事情に詳しい中国人からは逆に「恥ずかしい」との声が上がり、SNS上で論争が起きることが少なくない。最近あった事例などを紹介したいと思う。

 今年の日本のゴールデンウイークは、人によっては最大10日間の長い連休となった。中国でも同じタイミングで連休だった。メーデーの法定休日は5月1日1日だけだが、祝日の経済効果を期待して、政府は4月末や5月上旬の土日に出勤させ、振替で5月1〜5日の5日間が連休となるよう調整したからだ。そのため、5月初めに海外へ足を運ぶ中国人は大勢いた。旅行関連サイトが実施したアンケートでは、円安の影響もあり、日本は人気旅行先として1位だったという。

 そんな中、中国国内で大きな話題となったできごとがあった。東京都内の中国系のスーパーで販売されていた、「香飄飄」という中国のミルクティーが有名な飲料メーカーの商品に関するものだ。そのドリンク商品のラベルには、日本の原発処理水の海洋放出を批判する文面が日本語と中国語で書いてあった。

「恥知らず!0.1%の土地が70%の海洋を汚染した。(世界には)日本という国はなくてもいい、海洋を無くしてはならない。海洋は日本の下水道ではない。日本の政治家に汚染水を飲ませろ」