問題の本質は、元交際相手への「しつこい怒り」が原因だった「どの職場でも人間関係がうまくいかない」と悩む男性。カウンセリングを進めると、問題の本質は元交際相手にあった(写真はイメージです) Photo:PIXTA

今日も、あの人のこと、あの時のことを思い出してしまったあなたへ――。なぜ、私たちは怒りを抱え込んでしまうのか。どうすれば、そのしつこい怒りを解消できるのか――。要唱寺住職で精神科医・カウンセラーの斉藤大法さんの新著『しつこい怒りが脳から消えていく本』では、「怒りを長期化させない」ためのアンガーマネジメント術を紹介している。本稿では、同書から一部を抜粋して内容をお伝えする。

怒りは「人間不信」を生む

「どの職場でも人間関係がうまくいかない……」

 という悩みで、私のところにカウンセリングを受けにきた人がいました。

 詳しく話を聞いてみると、職場の人たちのパーソナリティや言動などに問題があるわけではなさそうです。

 じつは、原因は元交際相手。以前につき合っていた女性から突然別れを告げられ、深く傷ついたことで人間不信に陥り、それがさまざまな人間関係に悪影響を及ぼしていることがわかりました。

 元交際相手に怒りがあるかと尋ねると、ある、といいます。「なぜあんなひどい仕打ちをされたのか!」と強い怒りをずっと抱えていたのです。

 私のカウンセリングを受けながら、時間をかけて自分の心の状態を観察していくうちに、本人が自ら気づいたことがありました。

「別れ話を突きつけられたとき、相手に理由を尋ねると、私はもっと自立した関係を求めていた、といわれた。そのときはよくわからなかった。けれども、いま思うと、たしかに自分はいつも彼女に甘えていたかもしれません。すごく依存していたように思います。精神的に」

 と。