バンジージャンプのゴムが切れた時、生死を分ける「初動」とは?バンジージャンプのゴムは、伸びきって地上に最も接近した地点で一番強い負荷がかかる。不幸にもゴムが切れてしまうのは、ほとんどがこの瞬間だ(写真はイメージです) Photo:PIXTA
*本記事は本の要約サイト flier(フライヤー)からの転載です。

おすすめポイント

 本書は『もしもワニに襲われたら』に始まる、日常に潜むさまざまな危機への対処法を指南した大人気シリーズの第3弾である。今回も「なるほど役に立つ!」から「そんなことある?」と首をひねってしまうような場面まで、多彩な危機への適切な対処法が紹介されている。

『もしも海賊に襲われたら 究極のサバイバルシリーズ』書影『もしも海賊に襲われたら 究極のサバイバルシリーズ』 ジョシュア・ペイビン、デビッド・ボーゲニクト、ベン・H・ウィンターズ著 梅澤乃奈訳 文響社刊 1848円(税込)

 タイトルにもなっている「もしも海賊に襲われたら」などは、一見「そんなことある?」なシチュエーションだが、よく読むと非常に実践的な内容になっている。ここで言う「海賊」とは、映画などフィクションの世界に登場するような、眼帯をつけてかぎづめの腕を持つポップな存在ではない。実際に海上で民間船を襲撃し、強奪行為を行っている「海賊」だ。その対処法も無理のある解決法ではなく、実際に行うことのできそうなものとなっている(詳しくは本書で!)。この項目には、海賊を撃退する方法のほか、救難信号の出し方や海賊の襲撃が行われやすい時間帯などの情報も盛り込まれており、勉強になる。ほかにも「スタジアムで暴動が発生したら」「車が横転したら」「バンジージャンプ中に不幸な事故に見舞われたら」など、一見「トンデモ危機」に見える項目も、よく読めば感心してしまうような専門的な知識が生かされていて、油断できない。

 ちなみに著者によると「本書はそこそこ分厚いので、槍で胸を貫かれそうになったら盾代わりに使えないこともない……かもしれない」そうだ。この上なく「実用的」である。(千葉佳奈美)