SNS、チャット、メール……現代は、史上だれも経験したことのない「言葉の洪水」に襲われている。あなたも毎日、ペーパーワークに何時間奪われているだろうか? そこで、ビジネスパーソンに「簡潔化」の作法を指南する本が誕生、世界でベストセラーとなっている。全米25万部を超えた他、世界16か国以上で刊行の話題作『Simple 「簡潔さ」は最強の戦略である』より、内容の一部を特別公開します。

1通のメールで即バレ!「頭が悪い人」の決定的な1つの特徴Photo: Adobe Stock

とにかくメールが長い
──70%の人の望み:「もっと短くしてください」

 ギャラップ社が本書のために行った調査によると、業務連絡の文章について、働く人の70パーセントが「もっと短くなること」を望んでいる。

 なぜそれが重要か?

 上司からの連絡を「きちんと読んでいる」と回答した人は、わずか半数だった。残りの半数は、メールでの業務連絡を無視するか、もしくは流し読みをしていることが調査からわかった。

 多くの人のメールの書き方は「無視してくれ」と叫んでいるようなものだ。しかし、送信前にメールをスマート・シンプル(※著者が説く、シンプルでいて浅くならないスタイル)にすれば、より多くの受信者にすぐに読んでもらえるようになるか、もっと効率的に流し読みをしてもらえるようになる。

 これは職場で注目を集める戦いに勝利するいちばん簡単な方法だ。ジョージタウン大学で職場の効率性を研究するカル・ニューポートは、著書『超没入』(早川書房)のなかで、平均的なビジネスパーソンに押し寄せるメールの数は、2005年には1日50通だったのが2019年には126通に膨れ上がったと述べている。この変化にはいますぐ対応しなければならない。(中略)

いいメールを書くには?
――「箇条書き」を使いこなす

(1)短く、単刀直入、緊迫感のある「件名」にする
 未熟なメールはぼんやりした件名で始まる。受信者がメールをただちに開く必要がある理由を伝えること。

(2)最初の1文で「情報を伝える」か「質問」をする
 相手に続きを読まなくてはいけないと感じさせること。

(3)「なぜそれが重要か?」という文脈を与える
 メールではつねにこのフレームワークに基づき、そのメッセージが重要な理由と、その根拠を提示する。

(4)「箇条書き」にする
 箇条書きは、流し読みをする相手にも、じっくり読む相手にも、もっとも重要なデータや裏づけを理解しやすくする。

(5)強調したい言葉や数字、名前を「太字」にする
 これもまた、流し読みをする相手の視線をとらえるのに最適な仕掛けだ。

(本原稿は、『Simple 「簡潔さ」は最強の戦略である』からの抜粋です)