自動車メーカー各社は従来型の自動車事業で利益が圧迫されていると警告している。業界が進める電気自動車(EV)移行には既にコストという課題が突き付けられているが、そこに新たな懸念が加わった。フォード・モーター、テスラ、そしてスポーツタイプ多目的車(SUV)の「ジープ」を生産するステランティスの株価は先週、決算がウォール街の予想を下回ったことを受けて急落した。ゼネラル・モーターズ(GM)は決算が予想を上回るとともに、通期の利益見通しを上方修正したが、同社の株価も下落した。利益が圧迫された理由は、製品保証の費用や膨れ上がった自動車在庫から海外事業の問題まで多岐にわたった。全体として各社が投資家に示したのは、ハイテク技術を詰め込んだEVへの転換に向けて進む中で自動車メーカーがスピードバンプ(車を減速させるために道路上に設けられたこぶ)にぶつかっているということだ。