「30歳からの婚活」なぜ良い人に出会いにくい?→統計をみれば納得だった!写真はイメージです Photo:PIXTA
*本記事はきんざいOnlineからの転載です。

 厚生労働省の発表によると、2023年の平均初婚年齢は夫31.1歳、妻29.7歳である。この指標が毎年上昇するたびに「晩婚化」と捉える報道や世論をいまだに耳にする。しかし、筆者が国の少子化対策の委員会等で繰り返し「平均初婚年齢の上昇をもって晩婚化と表現するのは誤解を生む」と主張し続けたこともあり、最近では、政府が晩婚化という表現を積極的に使うことはなくなった。

 だが、この指標に対する誤解から「30歳くらいに婚活すればいい」などと思ってはいないだろうか。そう思っているとすれば、婚活戦略としては極めて悪手である。

「平均」という数字は「真ん中」や「普通」、「最頻値(最も発生している数値)」を表す指標ではない。母数で均等割した数値に過ぎず、常に「大きな数字に強く引っ張られる」ことを肝に銘じなければならない。

 日本は高齢化社会であるが故に、結婚適齢期(統計上、結婚が多く成立する年齢ゾーン)から大きく外れた高齢者の結婚が以前より多い割合で成立する。そのことが、平均初婚年齢を引き上げる要因となっている。決して結婚適齢期の年齢ゾーンが上昇したわけではないのだ。