8月は夏休みを取る薬局も
「いつもの薬」はお早めに

 Aさんのように、急な風邪の症状が出たような場合は、ショッピングモールやドラッグストアの中にあるような調剤薬局で、最初から夜間や休日も開局時間と定めているところを利用したほうが調剤報酬は安くなるケースもある。

 前述のように、もともと19時以降の夜間や休日を営業時間と定めている薬局の場合は、原則的に「時間外等加算」は算定されない。代わりに、「夜間・休日等加算」が上乗せされるが、こちらの調剤報酬は400円だ。自己負担額の上乗せは、3割負担で120円なので、閉まっている薬局を開けてもらい「時間外等加算」が上乗せされるよりも加算額は低い。

 その他の調剤報酬との組み合わせもあるので、絶対に自己負担額が安くなるとは言い切れないが、「どうしても今日中に薬を出してもらいたい」という場合は、営業時間中の薬局を探して調剤してもらうことも検討してみよう。

 急な病気やケガですぐに薬が必要な時は、時間や曜日を問わず、どこの薬局でも利用すべきだろう。だが、今回みてきたように、夜間や休日、深夜などは特別料金が加算されてしまう。

 かかりつけの薬局で営業時間に調剤してもらったほうが、自己負担額が安くなるだけではなく、薬の飲み合わせのチェックなどもしてもらいやすいので、医療面でも安心だ。緊急やむを得ない場合を除いて、いつもの薬局を通常の営業時間に利用するようにしたい。

 8月は薬局も夏休みを取るところが多く、わざわざ開けてもらうと時間外等加算が上乗せされてしまう。特に、高血圧症や脂質異常症など生活習慣に関連する病気で、継続して服用している薬のある人は、薬がなくなってから慌てて薬局に行かなくても済むように、余裕をもってスケジュールを立てておこう。

取材協力/薬剤師・水 八寿裕 実務薬学総合研究所